雨が続く季節の中、綺麗に咲いている紫陽花。
見ていると癒しですよね^^そんな世界で愛されている紫陽花ですが、
「でも紫陽花って毎年剪定しないといけないんだよね・・・」
「剪定の仕方とかよく分からないし難しそう・・・」
と感じている方も多いのでは?
実は紫陽花の剪定って思っているより簡単なんです!
剪定方法やコツ・管理方法など紹介しているので、ぜひ最後まで読んでいってみてくださいね^^
紫陽花について
紫陽花とは
あじさいは日本原産で、大きくて1-2m程になる落葉低木です。
基本的に丈夫で管理がしやすい花木で、その存在は奈良時代から確認されています。
人気が出始めたのは戦後からですが、昔から詩にも詠まれ日本に馴染んでいた花木です。
日本に元々自生していた「ガクアジサイ」が西洋に渡り、そこで品種改良されたものが日本に入ってきました。現在は種類も豊富で世界で愛されている花木になります。
色も、緑・白・ピンク系・紫・青など様々です。
紫陽花を剪定する上で知っておきたい特徴
紫陽花の花は2年かけて咲くということです。
今年剪定した枝には来年花は咲かず、再来年に花が咲きます。
今年咲いた花は、昨年花を咲かせなかった枝で開花しています。
(一昨年剪定した枝の花芽が咲いたという事になります。)
紫陽花に剪定は必要?
結論からお伝えすると、必ずしも剪定は必要ではありません。
ただ、紫陽花は大きくて2m以上にもなるので
剪定せずに放っておくと背丈が伸びて上の方ばかりに花を咲かせる様になり、
鑑賞する際に見上げなければいけなかったり見栄えもイマイチだったりします。
また、適当な大きさの方が管理しやすく
株にとってもメリットがあるので剪定するのが一般的になっています。
紫陽花を剪定するメリット
・花付きが良くなる
・風通しが良くなり病害虫の発生が少なくなる
・株を管理のしやすい大きさに維持できる
・自分が思う花の大きさや見た目に出来る
などです。
紫陽花の剪定方法3種類
一般的に紫陽花には3種類の剪定方法があります。
花後剪定
花後剪定とは花が咲き終わった直後に行う剪定を言い、
開花後、次の花芽(かが)が出来る前のなるべく早い時期に行います。
その理由は、花木のサイクルが
《開花→枝の成長→花芽の分化→花芽の成長→開花》
という風になっている為です。
紫陽花は花芽が出来始めるのが10月頃なので、
それまでに花芽がつく枝を丈夫に育てておきたいんですね^^
更に、混み合った枝の整理もすると各枝に光が当たるようになることで
花芽の分化が促進されやすくなる効果があります。
☆補足☆ 花後っていつ?~見極め方~ 【ガク咲きの場合】:装飾花が色あせてきて下を向く形で裏返るの 【テマリ咲きの場合】:花色が全体的に色あせ、装飾花の中心にある花が咲ききっている |
休眠期剪定
休眠期剪定(落葉期剪定)とは、
葉が落ちて紫陽花が休眠期(11月-3月上旬)に入る時期に行う剪定の事を言います。
花後の剪定時期を逃してしまった方もこの時期に剪定が出来ます。
この時期の剪定は必須ではありませんが、
様子を見て風通しや日当たりを適切にしてあげてください。
株の内側が込み合い風通しが悪くなると、
うどんこ病などの病害虫が発生しやすくなるので枝が混みあっていたら剪定してあげます。
冬の寒さが厳しい地域は、寒さが和らいでから剪定してください。
☆補足☆ 夏は株のダメージが気になるという方は、「二段階剪定」もおススメです。 開花後は花を切るなど軽目に剪定して、休眠期に混み合った箇所の剪定をする等、二回に分けて剪定する方法です。 |
強剪定
強剪定とは、太い枝を切り落としたりバッサリと切り詰める剪定の事を言います。
大きくなりすぎた紫陽花を小さくしたい時や株を更新したい際に行います。
強く剪定すると、その後は株の成長がメインになるので来年の花は期待できませんが
花後剪定のみだと株がどんどん大きくなっていくので
数年に一度、紫陽花の株本近くからバッサリと切ってスッキリさせます。
紫陽花の剪定に適した時期はいつ?
基本的に、紫陽花の剪定に適した時期は
【花後剪定】 | 6月-7月(遅くても8月上旬まで) |
【休眠期剪定】 | 11月-3月上旬 |
【強剪定】 | 花後すぐor11月以降の休眠期 |
になります。
花後剪定の方が一般的です。
~☆強剪定の時期について補足☆~
強剪定は開花後と休眠期に行う事ができます。
どちらも来年の花は期待できませんが、
休眠期に行うよりは開花後すぐに行った方が
ほんの少しですが花が咲く可能性あります。
(咲いたらラッキー♪位の感じです)
というのも、花芽の分化が促進するのが秋から。
その時期に切ってしまうと分化した花芽も切ることになるからです。
しかし、株への負担は《休眠期剪定の方が少ない》ですので
ご自身の好きなタイミングでされると良いと思います。
☆夏に強剪定をするなら花後すぐの梅雨時期で日差しの強くない時がおすすめです。
(この時期は曇りの日も多く株への負担も少なくなります◎)
紫陽花の剪定に適した時期~咲き方別~
一般的には上記のタイミングで良いのですが
「旧枝咲き」と「新枝咲き」で少し異なるので、それぞれ見て行きましょう!
1) 旧枝咲き
ガクアジサイ・ヤマアジサイ・カシワバアジサイ等があります。
剪定時期は6月-7月、11月-3月上旬(上に書いてある剪定時期と同じです)
開花後から伸びた枝に翌年の花芽が形成されます。
つまり、1年前に出てきた枝で花が咲くので「旧枝咲き」と言います
2) 新枝咲き
アナベル・ノリウツギ等があります。
剪定時期は6月-7月、12月-2月
今年の春に伸びた枝に花芽を形成します。
翌年の枝で花が咲く旧枝咲きに対して、今年伸びた枝で花が咲くので「新枝咲き」といいます。
新枝咲きは、花芽が形成されるのが4月以降なので
2月から遅くて3月上旬頃までに剪定しておきます。
☆補足☆ 4月以降に花芽が形成されるので、開花後~休眠期(6月-7月・11月-3月上旬)の間に剪定しても花芽を切り取る心配が無く、初心者で剪定が心配な方にもおすすめの品種です。 |
紫陽花の剪定方法
どこの位置で剪定したら良いかなど、やり方をご紹介します。
花後剪定
①花の下から2-3節下当たりに脇芽が出ているを確認します
②脇芽の2㎝上位を剪定バサミで切ります。
③枯れ枝や老化した枝、込み合っている枝を株本から切ります。
④枯れた葉っぱも取り除きます。
見た目が白っぽくなって乾燥していると枯れている可能性が高いです。
枯れ枝は手で軽く曲げるとすぐに折れるので切り落としてください。
紫陽花は枝の寿命が短く、ある程度年数が経つと枯れて新しい枝に交代して生き長らえる性質を持っているので、剪定時も同じ様に太い古枝を株本で切って新しい枝に更新してあげます。
細くひょろひょろした枝も切り落としてください。
☆補足☆ 「花から2-3節下を切る」とよく言われていますが、こだわり過ぎずに 鉢や庭のスペースの中でどんな高さや立ち姿にしたいかをイメージして切っていくと良いです。 |
休眠期剪定
休眠期の剪定も花後とほぼ一緒です。
①枯れた花の下から2-3節下当たりに花芽が出ているのを確認します
②花芽の2㎝上位を剪定バサミで切ります。
③枯れ枝や老化した枝、込み合っている枝を株本から切ります。
④枯れた葉っぱも取り除きます。
強剪定
強剪定を行う場所は
①根元から約30㎝位をバッサリと切ります。(節の上を切ること!)
切りたい位置に花芽や葉芽がある所はその少し上で切ります。
②老化した枝や枯れ枝は株本から切ってください。
強剪定する際も、枝が伸びてどんな姿になるか想像しながら切って行くと良いです。
その際に枝が伸びたとこを想像して、隣の枝が邪魔になるなと感じたら花芽がついていても切り落として良いです。始めは難しいと思うので、下から3節位上をそのままばっさり切っても大丈夫です。
新枝咲き紫陽花の剪定方法
旧枝咲きの剪定方法は、上記にご紹介した通りです。
新枝咲き紫陽花は、新しく出来た枝に花が咲くので
どこを切るという決まりはありません。
どの位の大きさにしたいか、どういう姿にしたいかイメージして剪定してください。
枝が分岐して増えるので
花数は多くなり、その分花のサイズは小さくなります。
☆強く剪定すると☆
伸びる枝の数が限られてくるので
そこに回すエネルギーも増えて花が大きく咲きます。その分花数は少なくなります。
紫陽花を剪定する際のコツ
コツは所々で書いていきましたが、
どんな大きさや見た目にしたいか、とイメージしながら剪定するのが全体のコツです。
紫陽花は丈夫な植物なので少し剪定に失敗しても、
それを次活かそう!という感じのスタンスの方がやっていて楽しめます^^
紫陽花の剪定後の管理
1)鉢植えの場合
①植え替え
②水をたっぷりあげる
③1週間程明るい日陰で管理する
④その後徐々に日の当たる場所へ移動する
☆水やりは様子をみて
表面の土が乾いるようであればたっぷりとあげてください。
・今年購入した紫陽花 ・前回植え替えてから2年以上の紫陽花 ・鉢に対して株が大きくなっている場合 |
↑このような鉢植え紫陽花の場合、
剪定が終わったら一回り大きな鉢に植え替えてあげましょう。
植え替えについて詳しくし知りたい方はこちらを参考にしてください!
↓ ↓ ↓
紫陽花の植え替え方法|適切な時期や土について!上手に育てるコツを解説 |
2)地植えの場合
①水をたっぷりあげる
②マルチングする
⇒バーク堆肥や腐葉土紫陽花の植え替え方法|適切な時期や土について!上手に育てるコツを解説、もみ殻などを上に敷いて乾燥を防ぐ
③晴れが続く場合は様子を見て水やりをする
※地植えは株の移動が出来ないので、強い日差しが心配の方は
遮光ネットや寒冷紗などで日差しをコントロールしてあげてください。
☆補足☆ ②のマルチングは必須ではありませんが、特に強剪定は株へのダメージが大きいので、 マルチングなどで乾燥から防いであげるなどのケアをしてあげると良いです。 |
まとめ
ぜひ、こういう形にしたいなぁ♪と想像しながら剪定を楽しんでください^^
《参考書籍一覧》
・著:冨澤彰夫・新井孝次郎【庭木の剪定コツのコツ~大人の園芸ブックス】
・著:上条裕一郎【剪定「コツ」の科学|いつどこで切ったらよいかがわかる】
・著:曳地トシ・曳地義治【鳥・虫・草木と楽しむオーガニック植木屋の剪定術】
・著:川原田邦彦【アジサイ~NHKの趣味の園芸-よくわかる栽培12か月】
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